伸線加工技術の紹介(様々な材質と形状に対応)

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伸線加工とは

伸線加工とはワイヤを細く伸ばす加工のことです。丸棒よりも小さい径の穴ダイスに通して、塑性変形によって穴ダイスの径の大きさまで細く加工する方法と、半曲面状のローラーを上下に配置して伸線する方法があります。細く伸ばした線は電線・ピアノ線・注射針から、半導体の配線ワイヤまで、さまざまな分野で使用されています。

穴ダイスは入口の径が大きく、出口に向かうにつれて徐々に径が小さくなるようなラッパ状の穴形状になっています。ダイスと線が接触する箇所は摩擦が生じるため、線に摩擦痕が付かないように潤滑剤を塗布します。

加工する前の線径を強制的に小さくするため、金属線には加工硬化が発生します。加工硬化とは金属の原子配列が乱れて硬くなる現象のことです。径の縮小率が大きければ大きいほど加工硬化が進みます。加工硬化が進むと硬くなるとねばり強さを示す靭性もなくなるため、脆くなって破損してしまいます。これを防ぐため焼きなましを行い、原子の配列を整えて柔らかくします。柔らかくして靭性を保ち、さらに小さい穴ダイスやローラーを使用して線径を小さく加工します。

トクセン工業の伸線加工の特徴

超極細の加工に対応可能

5.5mmの線径から中間の熱処理を行わずに、1.2mmまで伸線できる技術を確立しました。これによって製作スピードを向上し生産リードタイムを短縮しています。

超極細の加工に対応可能

5.5mmの線径から中間の熱処理を行わずに、1.2mmまで伸線できる技術を確立しました。これによって製作スピードを向上し生産リードタイムを短縮しています。
最終的には熱処理を行いながら0.01mm以下のサイズまで対応可能です。

異形加工に対応可能

単に線を細くするだけではなく、断面形状を細く、且つ、異形形状に加工できます。主に極細平線(0.006×0.035mm~)と極細角線(0.050×0.050mm~)に対応しています。当社では治具を調整することで、その他の形状についても対応できる場合があります。ご要望の形状があればお問合せください。

異形線は次の用途で使用されています。
・各種高強度微細ばね ・各種高強度補強線 ・各種組合せ部材
など

異形加工については、以下のページを参照してください。

様々な材質に対応可能

当社では、主に以下の材質に対応しています。その他材料についても対応可能な場合がありますので一度ご相談ください。

チタン

チタンワイヤは強い耐食性を持ち、比重は鉄の約半分ながら強さは鉄に匹敵する強度を持っています。当社が新たに開発した「酸化皮膜除去光沢品」は当社従来品に対して表面粗さを改良し、編み、織りなどに加工するワイヤすべり問題を大幅に改善しています。世界最細クラス0.050mmまで製作可能で、金網加工したメッシュやカードリッジフィルターに使用されています。

主に導体として使用され、銅の純度は99.9%以上のものが用いられています。導電率と熱伝導率が高く、展延性や可塑性に優れています。

アルミ

アルミは銅と同じように電力用途のケーブルに使用されます。銅と比較して重量が軽いため、長距離の送電線に使用されます。

ステンレス

ステンレスは表面に不動態被膜を形成し錆びにくい特徴からねじ用の棒から、電子部品に使用する極細線まで多様な用途で使用されます。ステンレスはCr、Niの配合量や熱処理の方法によって、耐食性、加工性、高強度、磁性有無の異なる種類が選定できます。

ピアノ線

ピアノ線は弾性率が高く、主にバネの線材として使用されています。熱処理と伸線を繰り返し、コイル状に巻き付けることによりバネを製作します。

パラジウム系材料にも対応可能

パラジウムは腐食や変色に強く、指輪などの材料として使用されます。アクセサリの代表的な材質であるプラチナに比べ安価で比較的加工しやすいのが特徴です。

世界最細レベルのφ0.008mmまで対応

半導体、通信機器、家電分野において部品の微細化が進んできており、ばねの小型化、高機能化、高精度が求められています。当社で開発したトスミクロンU種は4800MPaという世界最高硬度レベルの強度を実現し、トスミクロンNANOはφ0.008mmの細さを実現しました。

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お客様の扱う製品の用途に合わせて、伸線の材質や必要な線径、加工法を提案いたします。まずはこちらからご相談ください。

FAQ

タングステン系の伸線は可能か?

当社ではタングステン系の伸線加工には対応しておりません。