異形線加工技術の紹介(様々な材質と形状に対応)
異形線加工とは
異形線加工とは丸形状ではない形に伸線する加工のことです。平たいものや四角い形状、半円状など、特殊な形状をしたダイスに丸棒や角材を通して加工します。切削加工よりも加工時間が短縮でき、切りくずを発生することがないため、経済面や環境面でメリットがあります。
四角形状に伸線したものをコイル状に巻き付けたバネや、六角形状のものを90℃に曲げた六角スパナは異形線加工によって製作したものです。その他、眼鏡フレームや自動車部品、レジャー用品に使用するなど様々な分野で異形線加工が適用されています。

トクセン工業の異形線加工の特徴
ダイス引き抜き加工
異形線の断面形状はダイスの穴形状によって決まります。当社では独自で設計したダイスを使用して目的とする形状に加工しますので、対応できる形状にはほとんど制約がないと言ってもよいでしょう。ダイスの加工もグループ会社で行っているため、設計変更のフットワークが軽く、加工の調整もタイムリーに行えます。お客様の要望する形状をヒアリングしながら、延性がなく、割れるものなど、材料的に加工が不可能なものは当社から代替案を提案します。

ローラー圧延加工
丸棒をローラーで圧延することで平板形状に加工します。当社では高精度が要求される自動車部品の1次加工として、以下に紹介するローラー圧延加工の実績があります。
リテーナロック
自動車のバルブ周りに使用されているリテーナロックは異形加工によって作られます。リテーナロックはわずかにテーパーがついており、リテーナーをくさびのように固定すると共に、中央部にわずかに膨らんでいる部分によってバルブを固定する機能を果たしています。当社はこのような複雑な形状でも対応可能です。
スナップリング
軸や軸受を固定するために使用されるスナップリングも異形加工で製作することが可能です。
ウェーブリング
ローラーで圧延した後、波状に塑性変形させ円形に加工します。当社では自動車のトランスミッションのクラッチを支えるリターンスプリングとして使用されるウェーブリングを製作しています。

バネ用異形線
バネに使用する異形線はダイスで加工する場合やローラーで平板状に圧延する、コイル状に巻きつけてバネを製作します。当社では異形線のバネを製作しています。ご要望の線形やコイル径についてはご相談ください。

様々な材質に対応可能
難加工材のチタンから加工のしやすい銅までさまざまな材質の異形加工が可能です。異形加工は丸形状とは異なり、局所的に材料の応力集中が発生しやすいのですが、ダイスやローラーの形状を変更したり、工程自体の設計を変更するなど、当社独自のノウハウによって亀裂などの欠陥を発生させることなく、高精度な形状を保った異形加工を実現しています。
強度を維持したまま断面積を抑える
平線にすることで、丸線よりも強度を維持したまま断面積を抑えられ省スペース化が図れます。また、異形線加工ではチューブ状の加工も可能なため、内視鏡や、カテーテルチューブのように強度を維持したまま内空を確保した使い方もできます。
FAQ
厚みと幅は最大いくらまで対応可能か?
厚みX幅の比率は、一般的には最大1:10、材質によっては 最大1:30まで対応可能です。