プローブカードピンの紹介

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プローブカードピンとは

プローブカードピンとは、半導体集積回路のテスト工程に使用する微細なピンのことです。ウェーハのテスト工程ではプローブカードをウェーハに接触させ導通検査を行います。プローブカードピンはプローブカードに取り付けられた多数のピンです。近年進んでいる集積回路の緻密化によって、プローブカードピンの先端径はより小さいものが求められています。

半導体集積回路のテストは前工程であるウェーハの状態で行うものと、ウェーハを切り取り半導体のパッケージ化をした後に行うテストがあります。プローブカードはウェーハの状態で検査を行う際に使用します。

プローブカードの種類にはアドバンスト型(垂直型)とカンチレバー型があります。アドバンスト型では直線状のプローブカードピンを使用し、カンチレバー型では直線状の他に先端が曲がったプローブカードピンを使用します。アドバンスト型はプローブの配列が自由で、プローブカードピン1本から交換可能なためメンテナンスが容易です。カンチレバー型はアドバンスト型に比べコストメリットがあり、狭ピッチに対応しています。

半導体集積回路の導通検査を繰り返し行うと、プローブカードピンと半導体集積回路の接触回数が増え、プローブカードピンの酸化が進行して検査結果に影響を及ぼします。そのため、プローブカードピンに用いられる材料には、高い導電性や耐食性、耐酸化性が要求されます。

トクセン工業のプローブカードピンの特徴

トクセン工業のプローブカードピンは独自の機械式研削加工によって、これまでのエッチングピンに比べ、高精度なテーパー形状を実現しています。これによってエッチング加工ができなかった貴金属系素材も高精度に加工ができ、狭ピッチ化する半導体の検査にも対応できます。線材から伸線、熱処理、テーパー加工、表面処理(絶縁コーティング・メッキ)、曲げ加工によるプローブカードピンの完成まで自社で一貫して生産しているため、お客様のご要望に応じた仕様が実現できます。各材料の特性を熟知しておりますので、特性を最大限引き出し製品化することができます。

各種先端形状、各種メッキや絶縁被膜などの表面処理もお客様のご要望にお応えすることができ、オーダーメイドのピンを提供することができます。また、トクセン工業のピン製品は、全数検査による保証体制により国内外のお客様より高い信頼をいただいています。

材料別の特徴

タングステン(W)

タングステンはレアメタルの一つで耐熱性に優れ3410℃(*1)と金属の中で最も高い融点をもちます。電気伝導性は27.69%IACSと4つの材料の中で最も電気の伝導性が良い材質です。熱膨張率が低いため、他の材料と比較して高温の環境下でも寸法変化が少ないのが特徴です。

レニウムタングステン(Re-W)

タングステンにレニウムを添加することでヤング率、引張強度、硬度そして耐摩耗性を向上させた材質です。タングステンとレニウムの合金はプローブカードピンの他、フィラメントや熱電対などの電気部品にも使用されています。

パラジウム合金(Pd or H3C)

酸化被膜がつきにくいため、クリーニングコストが削減できます。また硬度調整がしやすくプローブカードの使用条件に合わせた硬度に仕上げることができます。

ベリリウム銅(Be-Cu)

熱伝導性と耐食性に優れている材質です。疲労強度が高くばね特性に卓越しているため、耐久性が良く繰り返し使用できる回数が多いのが特徴です。

次の図は各種材料における電気伝導度(%IACS)と硬度(HV)の関係を示したものです。図のように硬度と電気伝導度は概ね正の相関があります。

電気伝導度

プローブカードピンの加工サイズ

弊社で対応できるプローブカードピンの加工サイズは以下の通りとなっております。

加工サイズ1
項目 仕様
直径D(mm) 0.05〜0.70
全長L1(mm) 25〜150
テーパー角度(°) 2.0°〜20°
テーパー長さL2(mm) 0.5〜8.0
テーパー先端径d(mm) 0〜0.05
Niメッキ長さL3(mm) L1ーL2ーL4
真直性 0.2/32mm≧

※Niメッキ長さ、公差についてはご相談ください。

加工サイズ2
項目 寸法
曲げ長さ 0.02以上
ピン直径 0.09〜0.70
曲げ角度 95°〜115°
先端径 0.005〜0.050
曲げ径 0.04〜0.12

※Niメッキ長さ、公差についてはご相談ください。

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お客様のご使用になられる検査条件からプローブカードピンの各材質やピンの寸法に関する最適な条件を提案いたします。まずはこちらからご相談ください。