半導体テスト用プローブカードの接触不良や短寿命を解決する方法

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プローブカードとは、半導体製造においてウェハのテスト時に使用される装置です。ウェハ上の各チップに電気的接続を行い、動作や性能を確認します。プローブカードの針(プローブ)がチップのパッドに接触し、測定機器と信号をやり取りすることで、欠陥がないかを検査します。

プローブカードを開発・製造する技術者が抱える主な技術課題

1. 高精度な接触が要求されることによるプローブピンの接触不良

半導体チップの微細化と高性能化が進む中、ウェハ上の各チップのパッド(接点)はますます小さく、密集して配置されるようになっています。これに伴い、プローブカードの針はミクロン単位の精度で特定のパッドに接触することが求められ、以下のような要因が課題を引き起こしています。

・プローブピッチの微細化:小さなパッドに正確に接触するため、プローブカードの各針の間隔(ピッチ)も微細化される必要があります。このため、プローブカードの設計と製造において高精度な微細加工技術が不可欠です。
・高い位置精度と安定性:ウェハテスト時にプローブがわずかでもずれて接触すると、誤った測定結果が生じるため、プローブの位置精度が極めて重要です。特に、プローブカードの製造プロセスにおける組み立て誤差や機械的な変形が接触精度に影響します。
・デバイスの異なる特性:高周波デバイスや高密度の集積回路は信号の干渉や遅延に敏感です。そのため、プローブカードの構造もこれらの要件に合わせて高精度の接触と信号の安定性を確保する設計が求められます。

2. 耐久性が確保できず短寿命になってしまう

プローブカードは、量産工程での検査で数十万回、場合によっては数百万回と繰り返し使用されるため、針やカード自体の耐久性が重要です。特に以下の要因が、耐久性の課題につながります。

・摩耗と疲労:プローブカードの針がウェハパッドに接触する際、物理的な摩擦が生じます。繰り返しの接触により針が摩耗し、接触精度や測定の安定性が低下する原因になります。また、金属針に生じる微細な疲労や曲がりも、長期間の使用に伴い問題となります。
・材質の限界:プローブ針には高強度で耐摩耗性に優れた材料が使用されますが、加工性やコストのバランスも考慮しなければなりません。材質が硬ければ加工が難しくなり、逆に柔らかいと摩耗が早くなるため、最適な材質選定が求められます。
・熱や振動による変形:テスト時の熱や微小な振動により、プローブの配置や形状がわずかに変化し、耐久性が損なわれることがあります。これにより、長期間の安定使用が難しくなるため、温度変化や振動を考慮した設計が求められます。

技術課題を解決するためのアプローチ手法

1. 高精度接触のための技術的アプローチ

・精密加工技術の向上:プローブピンの製造には、微細なピッチと正確な位置合わせが求められるため、微細加工技術が使用されます。これにより、プローブピンの先端を均一な形状に加工し、接触の精度と安定性を向上させます。
・針の形状最適化:プローブピンの先端形状を最適化し、接触面積や接触圧力を調整することで、安定した接触が実現されます。微細テーパー加工技術を活用し、ピラミッド型やコーン型の先端を採用することで、接触精度と導通性が向上します。
・アライメント技術:ピンを正確な位置に配置するためのアライメント技術や固定技術を強化し、接触時にブレが生じないようにします。微小な動きに対応する精密なアライメント装置や、温度変化による膨張を抑える材料を使用します。

トクセン工業では、得意の精密加工技術である微細テーパー加工技術を活用しプローブピン同士の接触を解消した事例がございます。詳細はこちらをご覧ください。

2. 耐久性向上のための技術的アプローチ

・硬度の高い材料の採用:プローブピンには、タングステンやルテニウム合金といった耐摩耗性の高い金属が使用されることが一般的です。また、ピン表面にコーティング処理(例:ダイヤモンドライクカーボン〈DLC〉コーティング)を施すことで、摩耗に強い耐久性を持たせています。
・柔軟性と剛性のバランス:プローブピンが耐久性を保ちながらも微細な変形に対応できるよう、柔軟性と剛性のバランスを考慮した設計が行われています。例えば、材料特性の異なる多層構造のピンを用いることで、衝撃や繰り返しの接触にも耐えられる設計にします。
・摩耗自動補正機能:長期間の使用でピンが摩耗しても、高精度を維持できるよう、摩耗補正を行う機能が取り入れられることもあります。これは、摩耗状況を検知してピンの長さや位置を微調整するメカニズムで、寿命を延ばします。

トクセン工業では、お客様の利用状況に合わせた適切な材質によるプローブカードピンの製造を行っております。詳細はこちらをご覧ください。

プローブカードピンの製造ならトクセン工業にお任せください

トクセン工業は、プローブカードピンの製造において高い技術力を誇り、微細かつ高精度なプローブピンの製造にも豊富な実績があります。今後、半導体の高性能化に伴い、プローブピンには高熱や繰り返しの使用に耐えられる素材が求められるようになりますが、トクセン工業はそのような要求にも確実に応えることができます。特殊材の金属線加工においても幅広い経験を持つトクセン工業に、ぜひご相談ください。