特注ピンゲージで広がる可能性|極細・高精度から特殊材質・特殊形状まで

home / 特注ピンゲージで広がる可能性|極細・高精度から特殊材質・特殊形状まで

ピンゲージは、穴径の測定や検査などに欠かせないツールであり、標準規格品が幅広く流通しています。
しかし実際の製造現場では、「規格外のサイズや形状」「より厳しい公差」「特殊材質での使用」といったニーズが少なくありません。こうした要求に応えるために登場するのが特注対応のピンゲージです。

トクセン工業は、長年培ってきた特殊線加工技術を強みに、標準品では実現できない仕様のピンゲージ用線を提供。お客様の現場課題に応えるソリューションを展開しています。

極細・高精度仕様

「どこまで細く、どこまで精密に?」という課題は、多くの研究者や製造現場が直面するテーマです。
トクセン工業では、φ0.07mmクラスという髪の毛よりも細い線径を可能にし、しかも**±0.005mmという極めて厳しい寸法公差**を実現できます。さらに、最小先端径7µmのテーパー加工といった、顕微鏡レベルの精度領域にも踏み込んでいます。

極細であっても課題となるのは、「曲がり」「ねじれ」「表面粗さの悪化」といった品質上の不安です。トクセン工業は、線材加工の段階から真直性・円筒度・表面粗さを徹底的に管理し、細くても安定した品質を維持できる体制を確立しています。

こうした極細・高精度仕様のピンゲージ用線は、次のような分野で活用されています。

  • 超小径穴の検査(例:医療機器部品、微細ノズル)
  • 電子部品・半導体関連の精密測定
  • 新素材・新工法の開発における研究用途

「ミクロの世界」を扱う現場で、従来の規格品では到達できなかった領域に新たな測定の可能性を広げています。

特殊材質仕様

ピンゲージに求められるのはサイズ精度だけではありません。使用環境によっては、材質の特性が製品寿命や測定の信頼性を大きく左右します。

たとえば、量産部品の検査に使われるゲージは繰り返し使用に耐えうる耐摩耗性が求められます。また、高温環境で使われる場合には耐熱性や低熱膨張といった性質が重要になります。

トクセン工業は、以下のような特殊材質に対応しています。

  • 超硬合金
    極めて高い硬度と耐摩耗性を誇り、長期間の繰り返し測定に適しています。寿命を延ばすことで、ゲージ交換や調整にかかるコストや工数を削減可能です。
  • 粉末ハイス
    耐摩耗性に優れながらもコスト面でメリットがあり、「高性能と経済性のバランス」を求める現場に適しています。切削工具分野で培った加工技術をピンゲージ用線に応用することで、安定供給を可能にしています。

これらの材質は非常に硬いため、加工時には刃具摩耗や割れといったリスクを伴います。しかし、トクセン工業は長年の線材加工ノウハウを活かし、高硬度材でも寸法精度と表面品質を両立することに成功しています。

実際の活用例としては、

  • 自動車部品や精密機械部品の量産検査ゲージ
  • 航空・エネルギー分野など高温・過酷環境下で使われる測定治具

などが挙げられます。

特殊形状・追加工仕様

ピンゲージは「円柱状の棒」というイメージが一般的ですが、現場のニーズはそれだけに留まりません。検査対象や測定環境に合わせて、より工夫された形状や追加工が求められることがあります。

代表的な事例としては、次のようなものがあります。

  • 段付ピンゲージ
    一本で通り穴と止まり穴の両方を確認できる仕様。測定効率を大幅に向上させることができます。
  • テーパーピンゲージ
    テーパー穴の検査や、勾配の微妙な違いを見極めるために使用される特注仕様。高精度なテーパー加工技術が不可欠です。
  • 先端特殊形状
    R加工、面取り加工、テーパー加工など、用途に応じた微細形状の付与。バリ取り機能を兼ね備えたピンゲージなど、検査と補助作業を一体化させる工夫も可能です。

これらの仕様は、単に測定するだけでなく、「作業効率の向上」「測定の再現性確保」「専用用途への最適化」といった付加価値をもたらします。

トクセン工業は、異形断面加工や複雑形状加工に強みを持っており、こうした**「規格外の工夫」を必要とする現場に柔軟に応えられる技術基盤**を築いています。実際に、専用治具や開発用途の特殊部品検査などで数多く採用されています。

特注ピンゲージは、極細・高精度、特殊材質、特殊形状・追加工という3つの付加価値で、標準品を超えた可能性を提供します。

トクセン工業は、材料選定から加工まで一貫した体制を持ち、お客様の「こんなピンが欲しかった」を実現するパートナーです。特注ピンゲージ製造のご相談は当社までお気軽にご連絡ください。