超高難度 - トスミクロンを実現する熱処理技術

2026.04.21

技術コラム

  • #極細伸線
  • #熱処理加工

超高難度 - トスミクロンを実現する熱処理技術

極細線への加工を進めていったとしても、金属である限り、加工硬化は避けられません。極細線になればなるほど、加工硬化へのアプローチは難しくなっていきます。
対応方法の一つが熱処理技術です。極細線をより細くすることを可能にする熱処理技術について、本記事で紹介していきます。

50年の技術が生んだ極細線

トクセン工業は1968年にタイヤ用スチールコードの生産を始め、50年以上にわたり世界トップレベルの技術を磨いてきました。その経験を活かして挑戦したのが「極細線」です。
髪の毛より細い線を切れずに作るのは、通常の方法では実現が困難です。
素材選びから熱処理、表面仕上げまで、すべてに独自の工夫を凝らし、安定した品質を実現しています。

髪の毛の10分の1の細さ!

極細線の中でも、トクセンブランド「トスミクロン」は象徴的な存在です。最小線径はわずか9μmという驚異的な細さで、これは人間の髪の毛の約10分の1以下、赤血球の直径とほぼ同サイズです。
この極細線は、電子部品や精密機器など、精度が求められる分野で活躍しています。
トスミクロンは単なる細さだけでなく、強度と均一性を兼ね備えており、世界市場で高い評価を得ています。

極細線に熱処理は必要なのか?

ここまで微細になると、もはや一般的な金属ワイヤのイメージはほとんど失われます。
しかし、たとえ極細であっても金属である限り、加工硬化は避けられません。加工を重ねることでワイヤは次第に硬化し、やがて加工不能となるため、さらなる加工のためには熱処理が不可欠です。
わずか数グラムの荷重で断線するようなワイヤを、「1,000℃を超える高温環境で熱処理する」ことは、非常に高難度な技術です。
それでもトクセン工業は、他社が踏み込めない領域での製品実現を目指し、より厳しく、よりシビアな条件下での生産を可能にしてきました。

他社の追随を許さない「独自技術」と「独自設備」

トクセン工業が実現する高強度極細線「トスミクロン」は、他社の追随を許さない独自技術の結晶です。
これは、長年にわたり蓄積してきた高度な技術とノウハウを、確かな形として具現化してきた結果に他なりません。
多くのエンジニアが製品化に向けて研鑽を重ね、独創的な技術を確立し、さらにそれらを自社開発の専用設備へと昇華させることで、初めて実現した製品です。そして、この情熱と執念が、我々の「誇り」となっています。

熱処理技術により可能となった、わずか9μmという驚異的な細さのワイヤ。高強度極細線「トスミクロン」については、下記よりお問い合わせください。

担当事業部
機能材料事業部