鋼・ステンレスじゃないワイヤ

2026.04.06

技術コラム

  • #非鉄金属線加工

鋼・ステンレスじゃないワイヤ

ワイヤ加工といえば鋼線やステンレス線が一般的ですが、用途によってはそれ以外の「非鉄金属」が重要な役割を担っています。
医療分野や半導体分野では、特性の異なる非鉄金属ワイヤが使われ、求められる機能に応じて材料選定が行われています。
本記事では、Ni-Tiや各種合金など、非鉄金属ワイヤの特徴と用途について紹介します。

非鉄金属ワイヤとは

ワイヤといえば鋼線やステンレス線を加工することが多いですが、「非鉄金属」という種類もあります。
非鉄金属は、医療分野、半導体関連分野などの高い機能性が求められる領域で用いられています。
例として、医療分野での非鉄金属はNi-Tiです。医療分野の多くは304ステンレスが使用されていますが、ガイドワイヤなどでは超弾性の特性を持つNi-Tiが使われています。
半導体関連分野では、トクセン工業が作るプローブカードピンで電気特性の良いCu合金をはじめ、タングステン、金合金、パラジウム合金が使われています。

Ni-Tiの特徴

Ni-Tiは医療分野で用いられる材料で、よく「超弾性」や「形状記憶」という言葉を耳にされていると思います。これらはNi-Tiの代表的な特性ですが、しばしば混同されます。
Ni-Tiは大きく変形させた後でも元の形状に戻りますが、状況により「超弾性」と「形状記憶」の別々の特性が使われます。その違いは復元に加熱が必要かどうかです。
力を加えて変形(6~8%程度)させた後、力の解放後に元の形状に戻るのが「超弾性」、力の解放後に加熱をすることで元の形状に戻るのが「形状記憶」です。

医療で使われるNi-Ti
鋼・ステンレスにはない特徴を持つNi-Tiですが、医療分野では特徴的な機械的特性による高い柔軟性と耐久性、また、高い生体適合性が好まれ、ガイドワイヤや歯科矯正などさまざまな用途で使用されています。
トクセン工業では鋼・ステンレスの線材と同様に、伸線や熱処理、形状加工を行っています。
それらの加工技術を組み合わせ、強度や超弾性特性をコントロールし、お客様の要望する特性の製品を作り上げることが可能です。

半導体関連分野で用いられる非鉄金属

トクセン工業では半導体関連分野・プローブカード用ピンとしてタングステンやCu合金、貴金属合金を扱っています。これらの材料は高い電気特性を持っており、半導体の検査に適しています。
これらの材料に対しても伸線や熱処理、形状加工を行っています。タングステンやCu合金では、はんだ付けなどのお客様の工程で使用しやすいように、メッキ加工を行うことも可能です。
また、金属光沢を抑制するなど、ワイヤ表面のコントロールも可能です。

様々な金属・合金の加工の取り組み

トクセン工業ではNi-Tiや貴金属合金以外にもチタンやモリブデンなど、様々な金属に対して、伸線や熱処理、表面処理の加工に挑戦しています。
業界、金属の種類に問わず、線材加工についてのご要望やお困りごとがあれば、お気軽にご相談ください。

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