ピストンリングの性能を高めるために必要不可欠な研磨について

2026.02.20

技術コラム

  • #表面処理加工
  • #表面研磨

ピストンリングの性能を高めるために必要不可欠な研磨について

ピストンリング用線材において、表面品質は製品性能を左右する重要な要素です。
特に表面処理の前工程となる研磨は、密着性や耐久性に大きく影響します。
本記事では、線材研磨の目的と方法、対応可能な形状についてご紹介します。

ワイヤに研磨を行う目的

ピストンリングはシリンダ壁と常に接触しているため、摩耗が発生します。
この摩耗により、燃費やエンジン効率の悪化につながってしまうため、線材に表面処理(PVDやクロムメッキ等)を施すことで硬度を高め、摩耗を抑制しています。
表面処理を行う際、線材表面に酸化膜が残留していると、密着不良や剥離の原因になるため、研磨により線材の酸化膜を除去することが必要不可欠です。
この研磨は通常、お客様のもとで実施されていますが、トクセン工業で処理することも可能です。この研磨を事前に行うことで、お客様の工程削減等のメリットも生まれます。

線材の研磨方法は?

線材の表面に機械的に研磨紙を接触させ、線材を巻き取ることで酸化スケールの除去を行っています。研磨紙の番手、接触力や、線材の巻取り方法等を顧客の線材寸法や形状、材質に応じて制御することで、研磨後の寸法バラツキは数ミクロン以内となり、均一な表面色・均一な表面状態を実現します。
また線材寸法については厚み寸法0.8㎜ ~2.5㎜と細物から太物まで幅広く対応し、顧客ニーズに答えています。

研磨が実施できる形状

トクセン工業では圧力リング(トップリング、セカンドリング)、サイドレールに対し、研磨を行っています。
各線材の形状に応じて研磨紙の種類や条件等を変えることで、セカンドリングのカット部分の酸化スケール除去にも対応しています。
また、研磨後の形状精度についても研磨条件の制御により最大でミクロンオーダーまで対応し、高い形状精度を実現しています。
材質についても、シリコンクロム鋼からステンレスまで対応し、ピストンリング全般の研磨実施を実現しています。

サイドレール線

研磨工程を当社で実施することで、お客様の工程削減や管理負荷の軽減にも貢献します。
線材製造から研磨まで一貫して対応できる体制は、大きなメリットの一つです。
研磨仕様の検討や工程集約のご相談は、ぜひお問い合わせページよりご連絡ください。

担当事業部
特殊鋼線事業部