2026.04.01
技術コラム

近年、胃腸などの消化器に出来るポリープ(例えば腺腫性ポリープ)の早期発見、切除が行われています。ポリープは時間の経過とともに悪性になる可能性があり、その後、がんへと進行する可能性があるからです。切除されたポリープは体外に出され、病理検査をされます。
この切除の際に用いられるのが、スネアと呼ばれる先端にループ状の切断機構を持つデバイスです。
スネアが挿入される体内は、人体模型などでよく表されていますが、消化器官が曲がりくねって体内に収まっています。そのため、スネアは消化器官に沿って屈曲される必要があり、柔軟性が必要です。また、体内を進んでいく際に押し込みをスムーズにできる強さ(座屈)も必要になります。
強さは単線でも発揮することが可能ですが、強さと柔軟性は相反する特性のため、単線では強さを維持したまま柔軟性を実現することが困難です。
そこで単線の代わりに使われるのが”撚線”です。
撚線は同じ外径の丸線に比べ、撚線全体の強度は同等でも細いワイヤが用いられていることから柔軟性が向上します。
この様に強度と柔軟性を併せ持つように設計された撚線が「トルクロープ」と呼ばれる製品です。
タイヤの補強材として使われる、スチールコードと呼ばれる撚線の製品を長年作ってきたトクセン工業は、その撚線技術・ノウハウを使い、医療機器であるスネアに求められる撚線を製造しています。
極細撚線がつくる「トルクロープ」
トルクロープを製造するには、もちろん極細線加工が関与します。細く強靭なワイヤを製造することを担います。
寸法、強度など物性をコントロールされ、製造された極細線を撚り合せます。柔軟性を極細撚線で微調整しながらトルクロープを製造します。
トクセン工業が製造したトルクロープは柔軟性に富み、座屈にも強い撚線となります。
また、トルクロープは消化器官内を曲がりながらも、医師の手元の回転操作を切断機構に伝達する必要がありますが、トクセン工業のトルクロープは高い特性を示しています。

トクセン工業では、”より細く”を目指したトルクロープの作製も行っています。
また、材料によっても特性が変わりますので、多様な材料のワイヤを用いた撚線の作製も可能と
なっています。お困りごと、ご要望がありましたら、お気軽にお問い合わせください。