2026.04.01
技術コラム

極細化が進む現代のものづくりにおいて、ワイヤにはこれまでにない精度と性能が求められています。
トクセン工業は、スチールコードで培った技術を基盤に、髪の毛よりも細く、かつ高強度を兼ね備えた極細線の開発に挑んできました。
本記事では、その技術の特長と可能性についてご紹介します。
トクセン工業は1968年にタイヤ用スチールコードの生産を始め、50年以上にわたり世界トップレベルの技術を磨いてきました。その経験を活かして挑戦したのが「極細線」です。
髪の毛より細い線を切らずに作るには、一般的な方法では不可能です。極細線実現のために、素材選びから熱処理、表面仕上げまで、すべてに独自の工夫を凝らし、安定した品質で製造しています。
極細線の中でも、トクセンブランド「トスミクロン」は象徴的な存在です。最小線径はわずか9μmという驚異的な細さで、これは人間の髪の毛の約10分の1以下、赤血球の直径とほぼ同じサイズです。
この極細線は、電子部品や精密機器など、精度が求められる分野で活躍しています。トスミクロンは単なる細さだけでなく、強度と均一性を兼ね備えており、世界市場で高い評価を得ています。

トスミクロンは、ただ細いだけではありません。なんと引っ張る力に耐える強度は4800MPa以上。分かりやすく例えると、髪の毛の直径のワイヤーで3kg以上のモノを持ち上げることが可能です。これは世界最高水準です。
細い線なのに、強度はピアノ線並み。高負荷がかかる精密機器でも安心して使えるのは、この強さのおかげです。

約40,000mを切れずに作る技術
トスミクロン1リールの長さは約40,000m!これは富士山の高さの10倍以上です。しかも途中で断線することなく製造することが可能で、こんな長さを均一な品質で作るには、超精密な制御技術が必要です。トクセン工業はその難題をクリアし、世界に誇る製造技術を確立しました。

トスミクロンは、技能者と技術者たちの知恵と努力の結晶です。
極細線の製造は、わずかな工程誤差が致命的な断線につながるため、熟練した技能・技術と最新設備の融合が不可欠です。
開発現場では、試行錯誤を重ねながら、強度・柔軟性・均一性を兼ね備えた製品を生み出してきました。この挑戦の積み重ねが、世界に誇るトクセンブランドを築いています。
極細線は、これからの産業に欠かせない素材です。半導体、医療、精密機器など、どんどん小さくなる世界で、トスミクロンの役割はますます大きくなります。
トクセン工業は、「未来をつなぐ極細線」として、技術をさらに進化させ、世界のものづくりを支える企業として挑戦を続けます。
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