ワイヤの形状をコントロールする異形加工技術

2026.04.01

技術コラム

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ワイヤの形状をコントロールする異形加工技術

ワイヤの形状は、単なる見た目ではなく、機能性や性能に直結する重要な要素です。
異形ワイヤは、用途に応じて断面形状を設計し、圧延や伸線といった塑性加工によって実現されます。
本記事では、異形加工の基本と、圧延加工・異形伸線それぞれの技術の特徴について解説します。

異形加工とは

ワイヤの異形加工技術とは、丸断面のワイヤを塑性加工によって角形・多角形・溝付きなどの非円形断面に成形する技術です。
代表的な方法として、ロールで連続変形させる圧延加工と、専用ダイスを用いる異形伸線があります。
圧延は生産性が高く材料流れが安定する一方、形状自由度には制約があります。
これに対し異形伸線は寸法精度やコーナー再現性に優れており、両者を組み合わせることで、機能性・精度・量産性を両立した異形ワイヤの製造が可能となります。

圧延加工技術について

圧延加工とは、材料を回転する複数のロール間に通し、圧縮力を加えることで断面形状や寸法を連続的に変形させる塑性加工方法です。
ワイヤの圧延加工では、丸線から角線や異形断面を成形でき、生産性が高く材料流れが安定する特徴があります。
加工硬化により機械特性の向上も期待できますが、シャープなコーナー形成や微細形状の再現には限界があり、用途に応じたロール設計と加工条件の最適化が重要となります。

異形伸線技術について

異形伸線とは、丸線や圧延で予備成形された線材を、所定の断面形状を有する異形ダイスに通して引き抜く塑性加工方法です。
引張力を主体とするため、断面寸法や形状精度に優れ、角部や溝などの細かな形状を高精度に再現できる特徴があります。そのため機能部品や高付加価値ワイヤの製造に用いられます。
一方で加工荷重が大きく、摩擦や加工硬化による割れ・内部組織劣化に注意が必要であり、前加工や潤滑条件の最適化が重要となります。

図面上ではシンプルに見える断面形状でも、実際の加工では多くの検討要素が存在します。形状精度、材料特性、量産性――それぞれを踏まえた加工設計が重要です。
当社では圧延加工と異形伸線の両技術を活用し、お客様のご要望に応じた設計意図を形にします。
新規開発や既存形状の改善など技術的なご相談は、お問い合わせページよりお気軽にお寄せください。

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