2026.07.09
技術コラム

パススケジュールとは、伸線加工において素材線を最終線径まで仕上げるための加工計画です。パススケジュールは工程全体の流れと各設備条件の両方を指し、品質や生産性を左右する重要な要素です。初心者にも理解しやすく基本から解説します。
パススケジュールとは、伸線加工において素材線を最終製品の線径まで仕上げるために、各工程での加工条件や線径変化を計画・設計したものを指します。当社では、「製品が完成するまでの全工程の加工計画」と、「個々の設備における加工条件の設計」という2つの意味で使用しています。前者は材料受入れから最終線径までの加工順序や工程配分を示し、後者は各伸線機におけるダイス径、減面率、加工回数(パス数)などを最適化するための設計を指します。適切なパススケジュールは、寸法精度や表面品質、機械的特性の安定化だけでなく、生産効率や歩留まりの向上にも大きく影響します。当社では、材料特性や製品用途、お客様の要求仕様を踏まえ、長年培った技術とノウハウをもとに最適なパススケジュールを策定し、高品質で安定した製品づくりを実現しています。
・全工程の加工計画と設備ごとの条件設計の2つの意味を持つ
・ダイス径、減面率、パス数などが重要な設計要素
・寸法精度や表面品質、機械特性に大きく影響
・生産効率や歩留まりの改善にも直結する
・材料特性や用途に応じた最適化が必要
Q. パススケジュールと加工条件の違いは何ですか?
A. パススケジュールは工程全体と各設備条件を含む包括的な計画であり、加工条件はその中の個別要素です。
Q. パス数はどのように決めますか?
A. 材料特性や目標線径、減面率の制約を考慮し、品質と生産性のバランスで決定します。
Q. 減面率が大きいとどうなりますか?
A. 加工効率は上がりますが、断線や表面欠陥のリスクが高まるため適正範囲の設定が重要です。
Q. パススケジュールは品質にどのように影響しますか?
A. 不適切な設計では寸法ばらつきや内部欠陥が発生しやすくなり、品質の安定性が損なわれます。
Q. 材料によってパススケジュールは変わりますか?
A. はい。鋼種や強度、加工履歴によって最適な減面率やパス数は大きく変わります。
・伸線加工
・減面率
・ダイス
・線径
・加工条件
・ワイヤロッド
・潤滑
・加工硬化
・断線
・機械特性
パススケジュールは伸線工程全体に関係し、材料受入れ後の前処理から最終仕上げまで一貫して影響します。特に、熱処理や表面処理と組み合わせることで加工性や品質が最適化されます。また、工程間のバランス設計にも重要な役割を果たします。
トクセン工業では、タイヤ用鋼線や特殊鋼線などの高機能製品において、用途別に最適化されたパススケジュールを適用しています。これにより、高強度・高精度・高信頼性を求められる製品品質を安定して実現しています。
パススケジュールは、伸線加工の品質と生産性を左右する中核的な設計要素です。工程全体の計画と設備ごとの条件設計を最適化することで、寸法精度や表面品質を安定させるだけでなく、効率向上と歩留まり改善にも貢献します。
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